社労士と聞いて、皆さんはどのような内容の仕事をするのかパッと答えられますか?
「弁護士」や「司法書士」「税理士」などはドラマや漫画の題材になったりして、まだ聞く回数も多いかと思いますし、それぞれどのような仕事内容なのかも大まかにはわかるのではないでしょうか。
弁護士ではドラマで「リーガルハイ」や「離婚弁護士」、司法書士では「奮闘(きばれ)!びったれ!!」などが有名ですね。
では「社労士」は?となると、「ムムム…」。どんな職業で、実際どのような事を取り扱う仕事なのか知らない方も結構多いようです。
まともに答えられるのは10人に1人もいないのではないでしょうか。
残念ながら、私の友人知人にこの質問を投げかけても、しっかり答えられた人は誰一人いませんでした(汗
社労士は、上に挙げた「弁護士」や「司法書士」「税理士」などと同じく法律系の資格業になります。
弁護士や司法書士は裁判など、起こった事象に対して仕事を請け負うのに対して、社労士はどちらかというとそういった事件や事故が起こらないようにコンサルティングをするようなイメージです。(事後に対応する業務もありますが)
では、具体的に社会保険労務士とはどんな職業なのか?仕事内容はどんな事をするのか?などについて、下記にまとめましたので一緒に見ていきましょう。
社労士の仕事内容とはどのようなもの?
まず、社労士の仕事内容は大きく1・2号業務(独占業務)と、3号業務(独占業務でない)の2つに大別できます。
1・2号業務は独占業務といい、社労士の資格を持っていないと行うことができない業務のことを指します。社労士の資格を有さない者がこの独占業務を行うと法律違反となりますので注意が必要です。
こういった、特定の資格を持っていないと行うことができない業務がある資格のことを業務独占資格といい、社労士資格の他、弁護士、行政書士、司法書士といった資格もこの業務独占資格にあたります。
反対に、3号業務は社労士資格を持っていなくても行える業務のことを言います。
それぞれの業務内容を簡単にまとめると下記のようになります。
労働及び社会保険諸法令に基づいて申請書等を作成すること
- 社会・労働保険資格の得喪届の作成
- 算定基礎届の作成
- 労働保険年度更新
- 給付金申請
労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成
- 労働者名簿の作成
- 賃金台帳の作成
- 就業規則の作成
事業における労務管理等に関する相談対応、指導
- 従業員の募集、採用、退職などの雇用に関する相談・指導
- 賃金管理についての相談・指導
- 労働時間についての相談・指導
- 労働安全・衛生についての相談・指導
- 就業規則、給与規定・退職金規定などの作成、相談・指導
- 企業内教育についての相談・指導
- 人事管理・人事考課など人事にかかわる相談・指導
- 年金についての相談・指導
つまり、ざっくり言うと独占業務にあたる1・2号業務はいわゆる事務の代理で、3号業務はコンサルティング業務です。
その資格を持っている人しかできない業務があるというのはそれだけ強みのある仕事であり、非常に価値の高いものだと言えますね。
選べる2つの社労士としての働き方
社労士として仕事をしていく場合、2つの働き方を選ぶことができます。
選択肢は、「既にある事務所で雇われ社労士として働く」か「独立起業して自分で道を切り開いていく」かです。
どちらも一長一短の部分がありますので、一概にどちらがオススメとは言えませんが、それぞれの特徴を下記にまとめましたのでご覧下さい。
①既にある事務所で雇われ社労士として働く
既にある事務所で雇われとして働く場合は、基本的にはサラリーマンと同じですので、お給料はもちろんその事務所に応じて一定額で支払われます。
このスタイルはいかに社労士の有資格者であっても一企業の一般社員と変わりませんし、営業のお仕事のようにクライアントを○件とれば給与UP!!というものでもありません。
その代わり、事務所に所属していることである程度給与の保障はあるのは魅力のひとつと言えるでしょう。
社労士事務所は日本に数多く存在するので、あなたが情報収集し自分のスタイルに合った事務所に応募して雇ってもらう形になります。
有資格者が沢山いる大手事務所で働くのが憧れという方もいれば、少数従業員の個人事務所でどんどん仕事を任せてもらいたいという方もいるでしょう。
※当然、ここには給与の安い高いというモノサシも加わってきます。
また、昨今ではこういった社労士事務所だけでなく、企業の総務部や人事部としても活躍の場が広がってきており、社労士の資格を持っているという事でその分手当がつくところがほとんど!
専門知識を持っているという事から、会社からも重宝されているようですね。
②独立起業して自分で道を切り開いていく
社労士の資格を取ったからには、将来は独立開業で自分の事務所を構えたい!と考える方もいらっしゃるでしょう。
上記の雇われ社労士とは違って給料は一定額ではなく、自分がうまく経営できれば、それこそ給料の上限はありません!
しかし、その分不安定さは常につきまといます。
社労士の資格を持っているからといって安泰とはいきません。
どこの事務所も顧客の獲得には必死ですし、そうなると営業活動なども少なからずしていく必要があるでしょう。
ですので、今は独立開業しておられる社労士さんも一旦は事務所勤務で経験を積み、自分の得意な分野や営業能力を身につけた後、タイミングを見て開業に踏み切る方が多いです。
社労士の一日を時間割で見てみた
社労士の主な仕事は、企業や個人からの依頼によって発生します。そのため、社労士はクライアントとなる企業の就業時間に合わせて働くことになるのが一般的です。
その点を踏まえて、とある社労士の一日を時間割で作成してみましたのでご覧下さい。
09:00 | 事務所に出勤し、メールや一日のスケジュール確認をする |
10:00 | 本日担当するクライアント資料の確認 |
11:00 | クライアント先に出向き、コンサルティング |
12:00 | 昼休み |
13:00 | 別クライアント先に出向き、必要資料を受け取る |
15:00 | 社会保険事務所に書類提出 |
16:00 | 事務所に戻って資料の作成(他デスクワーク) |
18:00 | 退勤 |
案件が立て込んでいる日は残業することもありますが、基本的にはこんな感じです。
こういった法律系資格の仕事は、イメージとしてデスクワークが多そうに思いがちですが、事務所にこもってデスクワークで一日終わるという事は少なく、どちらかというとクライアント先へ出向く事の方が多いです。
忙しい時期だと、一日に数件のクライアントを回ることもあり移動時間も多くなります。
こういった移動時間も有効に活用し、メールの返信や簡単な資料作成などをする方も少なくないようです。
社労士の仕事まとめ
ここまで、ザックリではありますが社労士の仕事について書いてきましたが、あなたがお持ちのイメージと差はありましたか?
本記事内で解説している通り、社労士の仕事には独占業務があるので、それだけで非常に価値の高い仕事だと言えるでしょうし、労働や年金に関しての相談も受けてもらえるので、会社、個人問わずに大変心強いでしょう。
また、社労士の資格を持っている事で、今後の人生において選択肢を広げる大きな武器となりえます。
自分のため、お困りのクライアントのためにも活躍できる実用性の高い資格ですので今後の更なる飛躍が期待できると言えるでしょう。